《訪問:2018年05月など》
平戸島の西側にある根獅子(ねしこ)町。
16世紀のイエズス会の宣教師書簡にも出てくる集落で、住民の多くがキリスト教の信者となりました。
そうそう、「潜伏キリシタン」と「隠れキリシタン」って違うんですね。
禁教時代にもキリシタン時代から継続される信仰を継承した人々が「潜伏キリシタン」。
禁教が撤廃された後もカトリックに復帰せず、潜伏時代の信仰形態を継承している人々が「隠れキリシタン」だそうです。
さて、今日ご紹介するのはウシワキの森(おろくにん様)と昇天岩です。
ある日、若い男が集落の家に流れ着き、家の娘と結婚しました。
その男に一家がキリシタンであることを告げると、翌日、男は消え、一家は役人に捕らえられてしまいました。
一家は、厳しい取り調べを受けますが、集落に居るキリシタンは自分たちだけだと言い続け、集落の人々をかばって処刑されました。
一家6人が処刑され殉教した場所が、根獅子の浜にある昇天岩です。
満潮時には沈んでしまう一畳ほどの大きさの岩。
一家が処刑された日の夕方、強い西風が吹いて、6人の亡骸が浜に打ち寄せられたそうです。
一家6人の亡骸を葬ったのがウシワキの森。
平戸市切支丹資料館のすぐ隣にあります。
長らく砂に埋もれていましたが、2008年の発掘で3基のキリシタン墓地遺構が見つかっています。